こがねい詠春拳術会

空間把握能力を取り戻したい

空間把握能力を取り戻したい

太極拳の套路(型)は非常に長く、覚えるだけでも大変です。 公園などでお爺ちゃん、お婆ちゃんが24式に加え48式、さらには陳式までやるところもあり、全部やれる人を見ると驚きます。 歳をとってくると空間の把握能力が著しく落ちてくるようで、太極拳の型で方向転換があるだけで混乱される方もおられます。 もちろん武術として使うためには、形だけではダメで、推手やパターンの対錬、自由組手にまで応用できないといけないのですが、 型を覚えるという最初の段階で高齢者はこけることが多いでしょう。

ただ、何もやらなければ衰える一方の能力を、こういった空間内で複雑に身体全体を動かすことで脳のリハビリになりますので、頑張って頭脳を使い、脳の健康状態を維持したいところであります。 記憶に関しては、文字や言葉の記憶、計算力などに意識が行きがちですし、衰えを感じやすいので気がつくのですが、 身体動作を覚えるという記憶に関してはダンスや武術などを習わないとなかなか気がつかないものであろうかと思います。 当会は健康維持を目的とした会ではないですが、難易度の高いものに挑戦される方は歓迎したい気持ちでおります。

膀手を効かせる

詠春拳において、膀手を効かせることは、いつも言っており、練習生全体が意識していることだと思います。 とにかく肘入れていこうと、肘関節を屈曲させないことがポイントです。 弾力なくして膀手で崩すことは絶対にできません。 脳内に肘打ちのような感覚があるのであれば、それを取り去ることが先決だと考えます。

補助技法をしっかり使っていく

ベテラン練習生との組手稽古の中でのアドバイスとして、補助技法をしっかり使っていくようにと伝えました。 パターンの稽古のときは相手の状態が一定ですのでかけるのはさほど難しくないのですが、詠春拳の黐手(チーサウ)などの自由組手になると、タイミングや角度などが極端に難しくなります。 最初は腕力でねじ込むようになってしまいますが、少しずつタイミングや角度を考えながら調整する必要があります。 習っても使わなければいつまで経っても習得はできないので、積極的に使っていきましょう。

打撃が効く間合い

詠春拳だけでなく打突系の格闘技では、打撃を打つときは、打撃が効く間合いまで近づかないといけません。 遠間で手先だけがチョコンと当たったところで相手は倒れてくれません。 怖いかもしれませんが、距離を縮める必要があります。 ただ難しいのは、相手に向かって直線的に距離を縮めようとしても相手を押してしまうことなり、相手に簡単に下がられてしまいます。 相手の側面から入っていくようなステップワークと、相手が自ら自分に近づいてくれるような誘い出しなども必要になってきます。