こがねい詠春拳術会

ゆっくりと丁寧に転身 身体のフレームを歪ませない

今日は東京オリンピックの男子マラソンが行われた日でありました。 リアルタイムで観たいところですが、テレビを持っていないのと、練習時間とかぶるので、 家に帰ってからネットで結果を知ることになりました。何でも30名くらいの選手が棄権するという過酷な暑さの中のレースだったそうで、 日本の3選手はそんな中でも完走されました。本当にお疲れさまでした。大迫傑選手が、日本勢ではトップの6位(2時間10分41秒)だったようで、 あの暑さの中、2時間10分台というのは、さすがだなぁと思いました。

優勝したのはケニアのエリウド・キプチョゲ選手。2016年のリオデジャネイロオリンピックに続く2度目の優勝だそうな。 また、マラソンの世界記録保持者でもある。もう、化物ですね。どうやったら、あんな速く走れるのでしょう。どの世界にも達人・超人はいるものです。

振るとはいうけど、ヒンジ運動ではない

さて、詠春拳の練習の反省を書こうと思います。今日も参加者は少なかったですが、1年以上続けている練習生ばかりでしたので、濃密な細かい練習ができました。

今日は、下段交叉でインサイドから差し込んだ攤手を利用して、相手を"振る"という技術に重点を置きました。 特に私のほうからこだわったわけではないですが、練習生の皆さんが、これにこだわりがあるようなので時間を割きました。 やっていることはほとんど同じなのですが、微細な身体の使い方の違いにより、大きく結果が違ってきます。

相手を振ろうとして転身するも、腕が潰れてしまったり、軸が倒れてしまったりします。腕が潰れるのは、 見てわかりやすいものですが、軸の倒れ具合は非常に微細で、cm単位で違ってくる感じです。動作の中でちょっと身体のフレームが歪んだだけで、 相手はその弱い部分を察知するがごとく対応してきます。いったん身体がくずれてしまうと、もう相手に影響を与えることは難しくなります。 身体の軸が一本まっすぐに通った状態を維持しながら、回らないといけません。言葉で書くのは簡単ですが、実際にやってみるのが難しい。 また、教える側としても理想の姿・形は描けるけど、その形態にどう連れて行ってあげればよいのか言葉が見つからないです。

練習生たちが自ら発見した矯正の方法として、転身の単式稽古をゆっくり丁寧に行うということ。 これはとてもよい発見だったと思います。勢いをつけて回っていると、その勢いで安定しているように感じますが、 実際に相手と組んだ場合、反発力で自らの軸の制御ができなくなります。 勢いでやってはいけないということですね。

ゆっくり丁寧な動きで、自分の体幹部分の状態を確認しながら、単式稽古をし、 それで得られた感覚をもとに、対人稽古をすれば修正箇所が見えてくると思います。焦らずに丁寧な練習を頑張りましょう!