ステルス性を持たせる
今日はめずらしく社会人の練習生の皆さんが、仕事やら用事やらでお休みでした。 高校生の男の子もバイトで、参加したのは中学女子の練習生でした。 天気は梅雨明けからずっと暑い日が続いており、木の陰で練習しました。 木陰だと、あまり紫外線を浴びる量が少ないためか、日焼けは起こりませんでした。
最初に、詠春拳の双推手である盤手(プーンサウ)をやりましたが、これはなかなかよくできていました。 さすがに1年半以上やってきましたので、少しずつ基礎が出来上がってきております。 昔のようなおかしな力の方向や、無理な力が少なくなりましたので、このまま順調に伸びていってほしいです。
下段の伏手の交叉は、彼女独特の手先が下向きの手の形なのですが、 これはこれで良しとします。というのは、女性は男性よりも非力であるので、 下に押さえる力が弱いからです。指先が下方を向いた方が下方への押さえる力が出しやすいと考えます。 ただし、注意点としては、完全に力が下方に向いてしまわないことです。 完全に力が下に向いてしまった場合は、下側で交差した腕は抜かれます。
ステルス性
ステルス性について教えました。 ステルスとは、軍用機、軍艦、戦闘車両等の兵器をレーダー等のセンサー類から探知され難くする軍事技術の総称のことなのですが、 我が方の武術もこれに近いものがあります。要は、詠春拳の戦いにおいて、接触感覚から相手の情報をより多く取得し、 こちらの情報はほとんど相手に渡さないということです。
詠春拳の接触する攻防においては、接点圧力のコントロールですが、こちらの動きを察知させないためには、 接触圧力を小さくすることが大切です。 その実演をしてみたら、「いつどの方向にどれくらいの大きさの力がくるのかわからない」とのこと。 やっていることは単純ですが、言うは易し行うは難しです。 情報を与える側、取得する側の心の持ちようが大きな違いを生みます。 文章や口頭の説明だけではなかなか伝えられないものです。